雇用管理者の役割と配置基準について知っておくべきこと
企業において「雇用管理者」は、労働環境の整備や法令遵守を担う重要なポジションです。特に外国人労働者の雇用が進む中で、その役割と配置基準に注目が集まっています。この記事では、雇用管理者の定義、業務内容、そして実務上の注意点について、行政書士や社会保険労務士の視点を交えてわかりやすく解説します。
〇雇用管理者とは何か
雇用管理者とは、企業や事業所において、主に外国人労働者の就労に関する適切な管理を行う担当者を指します。厚生労働省のガイドラインでは、「適切な労働条件の確保、生活支援、相談対応等を行う者」とされており、特に特定技能や技能実習といった在留資格を持つ外国人の雇用において重要な役割を果たします。適切な配置は、企業の信用にも直結します。
〇雇用管理者に求められる主な業務内容
雇用管理者が担う主な業務には以下のようなものがあります。
労働条件の説明と管理(就業時間、賃金、安全衛生など)
生活支援(住居探し、生活習慣の指導、日本語学習の支援)
トラブル時の相談・解決窓口としての対応
行政への報告や手続きに関する助言
特に外国人労働者が安心して働ける環境を整えることが重視されており、労働基準法や入管法など複数の法律にまたがる知識が求められます。そのため、行政書士や社会保険労務士が雇用管理者の支援を行うケースも多く、法的な適合性のチェックは専門家の視点が不可欠です。
〇雇用管理者の配置基準とは?
雇用管理者の配置については、特定技能制度や技能実習制度において明確な基準が設けられています。例えば、特定技能制度では「受入れ機関は、支援責任者及び支援担当者を配置すること」とされており、1人あたりの受け入れ人数や業務範囲に応じた人的体制が求められます。
また、技能実習制度では「生活指導員」「技能実習責任者」「監理責任者」などの役職があり、一定数以上の実習生を受け入れる場合には、専任での雇用管理者の配置が義務付けられています。これに違反した場合、受入れ停止や監理団体の許可取消などの行政処分のリスクもあるため、慎重な運用が求められます。
〇士業としての支援の必要性
雇用管理者の業務は、多岐にわたり、かつ法的な知識が必要な場面も多いため、行政書士や社会保険労務士の支援が極めて有効です。たとえば、労働契約書や雇用条件明示書の作成、在留資格に関する書類の確認、生活支援マニュアルの策定など、専門的な文書作成・助言が求められます。
特に中小企業では、人手不足から雇用管理者の専任が難しいケースもありますが、士業の外部委託や顧問契約によって、リスクを最小限に抑えつつ適切な管理体制を整えることが可能です。
〇まとめ
雇用管理者は、外国人労働者との信頼関係構築や法令順守の要として、企業にとって欠かせない存在です。その配置や業務の在り方によって、企業の労務管理の質が大きく左右されます。特に制度上の要件を満たすためには、行政書士や社会保険労務士といった専門家の助言が重要です。外国人雇用を検討・継続している企業は、今一度、自社の雇用管理体制を見直し、必要に応じて専門家に相談することを強くおすすめします。


